【開催レポート!】2025年度 第1回 学校推薦型選抜オンライン説明会―現役推薦生と交流しよう!

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【開催レポート!】2025年度 第1回 学校推薦型選抜オンライン説明会

今年度、第1回目の開催となる6月28日の説明会は、後日の映像視聴も含めると520名のエントリーがありました。当日、彼らを温かく迎え入れたのは54名の現役推薦生です。推薦生の深い探究心や充実した学生生活が伝わる模様をダイジェストでレポートします!

学びたいこと・取り組みたいことへの熱い思い 推薦生の体験談

今回の司会進行は、推薦生の日浦萌々音さん(農学部3年)と福田有佳さん(文科一類1年、法学部進学予定)が務めました。推薦生3名による体験談を紹介しますので、ぜひご参考になさってください。

まずは、幼少期に見たドキュメンタリーをきっかけに貧困解決に興味をもち、具体的な解決のためのアプローチとして企業案を立てた松本さんです。自らのコミュニケーション能力やリーダーシップを発揮して活動した経験を本選抜への挑戦につなげていったそうです。

 

➀ 松本菜々美さん(文科二類1年、経済学部進学予定)

 

  • 県の留学推進プログラムに応募し、高校2年のときにカンボジアを1週間訪問しました。現地の子どもたちとの交流を通して、家庭間格差があることを知り、農村の貧困状況の深刻さを身をもって感じました。貧困解消のために米農家にアプローチした農村開発に取り組むことを決めましたが、個人では解決できない課題が多く、より着実で目の前のことから解決できる案を考える必要がありました。

そこで、松本さんは初期投資が少なく、健康課題の克服にも向いている「甘酒」をもとにした起業案を立てることにしたそうです。その案をもとに、大学で自分が学びたいことがどのようなことなのか明確になったそうです。

  • 自らの関心をもとに、大学で流通に関する知識を身に付けたい、経済学部で開発経済学などを学んでみたい、大学にあるさまざまなプログラムや活動を活用したいと思うようになりました。本選抜を通して、自分に向き合い、自分が何をしたいのかを明確にできたのではないかと思います。
  • 私は地方国公立の高校出身で、大会参加やオリンピックの経験はありませんでした。人と関わることが好きで、人を巻き込む力もあると自負していたので、それを強みに学校推薦型選抜の準備に取り組みました。大学では躰道部やゼミにも所属し、充実した毎日を送っています。合格するためには、挑戦することが不可欠です。迷っているなら、本選抜にぜひ挑んでみてください!

 
次は、昨年司法試験に合格され、将来は企業法務を専門とする弁護士をめざされている金子さんです。高校2〜3年の新型コロナウイルス禍での自宅学習の中でさまざまな人文書を読み、社会科学にのめり込んだそうです。

➁ 金子周平さん(法学部4年)

 

  • 数学が得意だったので経済学部に進学する予定でしたが、多くの本を読む中で資本主義への対抗としてのコモンズ(いわゆる共有資源)の存在、経済における競争の基盤を独占するようなアメリカの企業をめぐる競争法上の問題などについて関心が推移していき、法学部に進むことを決心しました。この入試では、実績よりも自らの経験を将来の学びに向けてどのように意味づけているかが重要だと思います。

大学では、多くの学びの出会いを大切にされているそうです。1本のメールや雑誌に組まれていた特集などの、ふとしたきっかけから新しい出会いがあり、いろいろなことを勉強できているそうです。

  • 大学では、推薦生に用意されている早期履修制度を利用して、競争法のゼミを1年生の時に履修しました。大学では、自分もこうなりたいと思うロールモデルになる方を含め、多くの先生や友達と出会いました。出発点は競争法ですが、その地点からの多様な学びが可能になりますし、新たな人との出会いがあると思います。つまり、今までの学びが新たな学びへの「補助線」になるということです。

今後はベルギーに半年間留学し、産業組織と法の関わりについて学ぶ予定で、競争法への関心がさまざまなことにつながっていることを実感しているそうです。

  • 学校推薦型選抜は自分のストーリーをつくり上げる出発点です。現在地を把握し、将来どのようなことをしたいのか考えるための羅針盤になります。大学までの実績が大事なのではなく、将来の学びに向けてその経験をどのように繋げていくのかが重要です。大学は楽しく、あっという間です!本選抜を機に、自分を見つめ直し大学を最初から全力で楽しんでほしいです!

 
最後は、6歳のときに出会った建築家とのお話をきっかけに、建築に興味をもった工藤リサさんです。好きだったものづくりのうち、最も人々に幸福をもたらすのが住宅ではないかと考え、建築家をめざされたそうです。

➂ 工藤リサさん(工学部4年)

 

  • 高校までは建築設計事務所でインターンをしたり、フードバンク・プロジェクトを立ち上げて食料品を集める寄付活動をしたりしていました。私は受賞歴などもなく、学校推薦型選抜は雲の上の存在だと思っていましたが、母から本選抜の募集要項の話を聞き、求める学生像に自分が当てはまるかもしれないと考え、点数ではなく「私自身」を見て判断してくれる学校推薦型選抜に決めました。

大学では推薦生に用意されている制度を活用したり、東大が提供するさまざまなプログラムに参加したりしながら自らの知見を深め、自分が捉えていた世界の狭さを知ったということです。

  • 推薦生だと1年から応募可能な工学部のプログラムでオーストラリアに語学短期留学したり、早期履修制度を利用して後期課程の建築学科の授業を受けたりしました。また、2年では東大が提供する体験活動プログラムでインドを訪れ、自主的に北インドにある建築家が関わった計画都市を巡り、3年ではタイでグローバル・インターンシップに参加し、再度体験プログラムでベトナムを訪れました。今後は卒業論文・卒業制作に向けて、途上国を訪れた経験から「貧しいとされているが豊かな状況」について分析する予定です。

入学後は、それまでの興味がさまざまに移り変わり、新たな関心が生まれている日々を過ごされているそうです。出願時に考えていたテーマにそのまま取り組む必要はなく、やりたいことが次々と移り変わることがむしろ普通ではないかと感じられるそうです。

  • 東大では、次々と興味が移り変わってもそれらに対する受け皿がたくさんあります。出願時は、専門家であることよりも、好奇心やコミュニケーション能力、社会貢献への気持ちを保つことが重要ではないかと思います。自らの興味を広げ、いろんなことに取り組んでみてください。

 

推薦生や受験を検討する中高生との対話から受ける刺激の数々

次は、テーマ別交流の時間です。学部の推薦生と中高生が研究テーマごとに分かれ、推薦生の体験や東大での生活について質問したり、まわりの中高生の興味や関心を知ったりすることができます。ここではテーマ別交流での会話の一部をご紹介します。

高校生A「今、高校1年生なのですが、何を特に頑張っていくべきでしょうか?」

  • 基本的に学校の授業を大切にしてほしいです。そのうえで自分が興味をもっていることに関しては、どんどん突き詰めていってほしいです。私が通っていた高校では特別活動や大学で行われているプログラムの情報を提供するクラスルームがあって、それを見て自主的にいろいろなイベントに参加していました。
  • 高校1年生であればまだ時間があると思います。ある1つの学問に興味があるとしても、今は幅広い学問に触れ、ほかの興味も育ててみた方がいいのではないでしょうか。

高校生B「自分の興味を社会問題の解決に結びつけるのが難しいと思っています。その点で参考にしていたことはありましたか?」

  • 自分がやりたいことをそのまま続けるとどのような社会問題の解決につながるかを考えるのもありですが、逆に、社会に対して自分自身が現時点でどのようなことができるか考える方法もあるのではないかと思います。
  • 社会に向けて発信したかというよりは、自分の自主的な活動の中でどのようなことを考えたかが重要だと思うので、無理に何かを外部に向けて出さなきゃいけないと考える必要はないかなと思います。
  • 中高生にとって、東大生活を思いきり楽しむ現役推薦生との交流は、今後の進路を考えるきっかけとして有意義な時間となったに違いありません。今後のオンライン説明会の開催日程や学校推薦型選抜についての各種情報は下記参考リンクからご確認ください。

    学校推薦型選抜の概要はこちら

    文/R.K(学生サポーター)
    構成/「キミの東大」編集チーム