「いろんな可能性を試して視野を広げ、女性の視点から政治現象を分析していきたい」―2025一般生インタビュー 文科一類

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野澤由貴奈さん

PROFILE

  • 氏名:  野澤由貴奈さん
  • 出身校: 東京都立日比谷高等学校
  • 入学:  2025年 文科一類

――東京大学を志望したきっかけを教えてください。

中学生の頃、東大生が出演しているクイズ番組を見て、その先輩に憧れを抱いたのが、東大を意識し始めたきっかけでした。東大には、学問だけでなくさまざまな分野で個性を発揮している先輩方がたくさんいて、その多様性に魅力を感じました。また、自由で寛容な校風が自分に合っていると感じたことも、東大を志望した理由のひとつです。

――文科一類を選んだのはなぜですか?

自分の経験を通して、貧困や労働、女性の役割といった社会問題を身近に感じるようになり、そうした課題に対して実社会の中で働きかける力を持つ政治に関心を持つようになりました。この分野をしっかり学びたいと思い、将来は法学部の政治コースへの進学をめざしています。政治コースへの進学に適しているだけでなく、前期課程での幅広い教養科目を通じて在学中に関心の幅をさらに広げられる点にも魅力を感じました。

――高校時代に頑張っていたことはありますか?

高校生活を謳歌したいという気持ちが強く、人間関係に悩んだり、受験のプレッシャーを感じたりすることもありましたが、興味をもったことにはとにかく全力で挑戦していました。学校行事や部活動にも精力的に取り組み、ダンス部ではライブでパフォーマンスを披露する機会もありました。特に印象に残っているのは、文化祭です。私の高校では全クラスがミュージカルを行うのですが、高3のときは『アナと雪の女王』でエルサ役を務めました。勉強の合間を縫ってクラスメイトと準備した時間はとても濃密で、忘れられない思い出になっています。そのほか、医療系のビジネスコンテストにも挑戦するなど、文理問わずさまざまな経験を通じて自分の関心を広げることができました。

――受験勉強の乗り越え方やモチベーションの保ち方があったら教えてください。

受験期にはよく、ほかのことから距離を置いて勉強に専念することが大切だと言われますが、私の場合は逆でした。ひとりぼっちで、あまりに勉強だけにしぼりすぎるような生活は向いておらず、モチベーションが保てませんでした。むしろ、友達と会ったり打ち込むことを見つけるなど、受験勉強以外にも予定がある方が気分が上がり、「限られた時間の中でどうすれば要領よく勉強できるかな?」と工夫できました。私にとっては、「勉強=ネガティブ」なイメージにならないようにうまく日常生活と両立させることが、受験を乗り越えるポイントになっていたし、自分の性質についての気づきは大学生活にも活きています!

――勉強とか研究以外に挑戦したいことってありますか?

高校の友人もいるので、サークルではダンスを続けようかなって思っています。また、語学が好きなので、英語に加えて今は韓国語や中国語もやっていて、今後資格も取りたいなと思っています。それから、東大には海外の名門校や大手企業と連携したプログラムが豊富なので、そういったものにもぜひ参加してみたいです。

――入学してからの東大の印象はいかがですか?

まず、驚いたのは大学なのにクラスがあることです。オリ合宿や学園祭、授業などを通じて、同クラ(同じクラス)の友人とは自然と仲良くなれるので、「大学では友達ができるかな」と不安に思っている人も安心してほしいです。それから、やはり東大を選んでいる人たちだけあって、良い意味で競争が好きな意欲的な人が多いなと感じました。体育の授業でさえ、みんな本気なので毎回白熱しています!試験前には「全然勉強してない〜」と言いつつしっかり準備している友達に、よく騙されています(笑)。でも、その一方で「シケタイ」という試験対策の伝統があって、東大生が自ら作成する対策資料のクオリティがとても高いんです。そうした助け合いの文化があるのも東大の魅力だと思います。全体として、大学生活を楽しもうという前向きな雰囲気があって、お互いを尊重し合える人が多いので、居心地の良さを感じています。

――将来就きたい職業や夢はありますか?

まだ具体的な職業は決まっていませんが、人と関わることが好きなので、世界中の人とコミュニケーションをとりながら働ける仕事に就きたいと考えています。そのためにも、語学の勉強を頑張っていきたいです。今のところは、メディア系の分野に関心があります。大学在学中には、自分の経験やバックグラウンドを活かして、人前に立って発信していくような活動にもチャレンジしてみたいと思っています。自分の好奇心を信じて、いろんな可能性を試して視野を広げていく中で、今はまだ想像もしていないような道が見えてくるかもしれないと思っています。

――最後に高校生に向けてメッセージをお願いします。

大学って東大だけではないし、人生も大学受験がゴールではありません。でも、私は自分が将来やってみたいことを実現するうえで、「東大生であること」に意味があると感じて、浪人を経て東大をめざしました。挫折経験が自分の未熟な価値観を変えてくれたし、自分についてよく知る機会になったし、自分の選択にも納得できて、受験をやりきったことで次のステップに目を向けられています。高校生のみなさんは、忙しくて、将来のことをゆっくり考える余裕なんてないかもしれません。でも、「自分はどうなりたいのか」、「そのために何が必要なのか」を少しでも考えてみると、努力の意義が見えてきて、前向きに頑張れるかもしれません。大学生にも「青春」はありますが、私から見ると、高校生は本当にまぶしい存在です(笑)。悩みも多い時期だし、受験勉強は本当にしんどいと思います。でも、高校生活や10代の時間は一度きりの、とても尊いものです。すべてを犠牲にすることなく、自分なりに思いきり楽しんでほしいなと思います。みなさんにお会いできるのを楽しみに待っています!

――高校生への応援メッセージ、ありがとうございました!

 

取材/2025年4月
インタビュー・企画・構成/「キミの東大」編集チーム