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「多くの人が関わり年月をかけて完成する創薬のプロセスの中、研究者の一人として携わりたい」―2025推薦生インタビュー 薬学部

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山谷優衣さん

PROFILE

  • 氏名:  山谷優衣さん
  • 出身校: 秋田県立秋田高等学校
  • 入学:  2025年 理科二類(薬学部進学予定)

――東京大学を志望されたきっかけを教えてください。
高校1年生のとき、学校推薦型選抜で入学した高校の先輩が所属する東京大学の研究室を訪問させていただき、先輩の研究や研究室の様子、大学や大学院での生活についてさまざまなお話を聞きました。その際、自分たちの研究を発表する機会もいただきましたが、大学院生の方々が私たちの発表を熱心に聞いてくださり、分野の違う研究であっても興味をもって多くの質問をしてくださったことに感銘を受けました。こうした方々と一緒に研究できたら、きっとおもしろいだろうなと思ったことが、私の進路を考えるうえで大きなきっかけとなりました。

――高校時代にどのような研究を行ったのですか?
高校では生物部に所属し、食品保存料として広く利用されているナイシンについて研究していました。菌は大きくグラム陽性菌とグラム陰性菌にわけられますが、ナイシンはグラム陽性菌には単独でも効果を示す一方で、グラム陰性菌には外膜(脂質二重層)が障壁となって作用しにくいという特徴があります。ところが、ナイシンが単独では効かないグラム陰性菌に対しても、ほかの物質と組み合わせることで抗菌効果を示すという先行研究がありました。そこで、私たちはそれを基にナイシンと相乗効果を示す新たな物質の探索を行い、どのような構造が作用に関係しているのか、また、その作用機序について実験と考察を繰り返しながら調べました。そのほかにも、クラスではピラミッド内部の調査などにも使われている「ミュオグラフィ」という、物体の内部を非破壊で可視化する技術を活用し、Cosmic Watchという小型ミュー粒子検出器を使って、校舎内の構造を可視化する研究にも取り組みました。こうした研究活動を通して、外部の発表会やイベントにも多数参加させていただきました。

――高校時代、研究のほかにも熱心に取り組んでいたことはありますか?
政策提案型パブリック・ディベートに出場したり、「科学者の卵養成講座」を受講したり、ちょっとでも「おもしろそう」、「やってみたい」と思ったら、幅広く、いろいろなことに挑戦しました。

――幅広い興味の中から、薬学部を選んだ理由を教えてください。
薬は、病気やけがの治療に欠かせない存在であり、これまでに多くの命を救ってきました。その創薬には実に多くの研究者が関わり、長い年月をかけてようやく一つの薬が完成します。私は、たった一つの薬が何十億もの人々の命を救う可能性を秘めている点に大きな魅力を感じ、自分も研究者のひとりとして薬学研究に携わり、人々の健康に貢献したいと考え、薬学部を志望しました。

――学校推薦型選抜の準備はいつ頃から始めましたか?
夏休み後半から、意識して準備し始めました。最初はさまざまな活動を通して、「どんなことが得られたか」とか、「自分はどういうところが成長したか」っていうのが思いつかなくて、先生とのコミュニケーションや友達との会話の中で再確認できて、準備期間を乗り越えられた気がします。

――シラバスを見ているところだと思うのですが、興味のある授業はありましたか?
化学薬学概論などの薬学系の授業が楽しそうだなって思っています。ほかにも、元から興味のあった分子化学や宇宙、プログラミングなど前期課程では薬学に限定せずに幅広く学んで視野を広げていきたいと考えています。

――東大生の印象はいかがですか?
みんな本当に個性的で、温かく素敵な方々ばかりなので、これからの学校生活でいろんな刺激を受けながら過ごせるのがすごく楽しみです。まだ10日ほどしかたっていないのに、クラスは本当にアットホームな雰囲気でとても楽しいです。

――東大をめざす高校生にメッセージをお願いします。
学校推薦型選抜では、自分のこれまでの活動やそこから得た学び、将来に向けた思いをしっかりアピールすることができます。そのため、勉強に限らず、何かに一生懸命取り組んだり、自分の「やってみたい」という気持ちに素直に挑戦したりした経験は、大きな力になると思います。高校生活は一度きりです。だからこそ、さまざまなことに前向きに取り組みながら、自分らしく楽しんで、最後まであきらめずに頑張ってほしいです。応援しています!

――ありがとうございました。充実した大学生活を過ごしてください!

 

取材/2025年4月
インタビュー・企画・構成/「キミの東大」編集チーム