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「気づけば天文学の道へ。球状星団の色や存在する元素を分析し宇宙の歴史の解明につなげたい」―2025推薦生インタビュー 理学部

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市川まどかさん

PROFILE

  • 氏名:  市川まどかさん
  • 出身校: 四天王寺高等学校(大阪府)
  • 入学:  2025年 理科一類(理学部進学予定)

――どんなことを学びたくて、東京大学を志望されましたか?
惑星状星雲と球状星団に興味があって、天文学を研究したいと考えているので、天文学が学べる大学の中でも施設が充実していて、先生方もたくさんいらっしゃる東大を志望しました。球状星団は、数万から数百万個の星がボールのように球状に集まった天体で、銀河系の初期に誕生したと考えられているんですけど、なぜそのような天体ができたのか、実はまだよくわかっていないんです。その星の一つ一つの色や存在する元素を観測的に見ていくことで分析し、宇宙の歴史の解明につなげられたらと考えています。

――学校推薦型選抜に挑戦しようと思ったきっかけはありますか?
東京大学を志望するにあたって、前期課程の1年半の間に好成績を収めないと進学選択で天文学科に入れない可能性があることにハードルを感じていました。2年のSセメスターまで進学先を検討できるという進学選択に魅力を感じる人も多いと思うのですが、私は天文学がやりたいと決まっていたので、出願時の志望により学部や学科が内定している学校推薦型選抜に挑戦することを決めました。

――天文学に興味をもったのはいつ頃からですか?
自分でもよく分からなくて、気づいたらという感じです。小学生のときに買ってもらった図鑑を読んでいたのは覚えているんですけど、「図鑑に載っている写真がきれいだな」って思ったのが、初めに好きになったきっかけだと思います。その後は、ただ「きれいだな」だけじゃなくて、この星雲はこういう物理法則に支配されているはずだから、この形、この色になっているということまで含めておもしろいなと思うようになりました。研究を体験してからは、「光」というたった1種類の情報から、光の強度や波長、色、時間的などの変化を分析してデータを引き出す、その努力の過程が天文学のおもしろさだと思っています。

――高校までに取り組んだ活動について、教えてください。
大学で開催されるイベントや国際天文学オリンピックに日本代表として参加しました。天文学オリンピックでは、国内の大会では最優秀賞をいただき、国際大会では銅賞に選ばれました。イベントや大会の問題を通じて実際のデータに触れたり研究者の方々のお話をたくさん聞いたりしたことで、研究の難しさを思い知った一方、簡単には諦めず議論を継続する力も身につきました。

――大学の授業が始まっている頃かと思いますが、興味のある授業はありましたか?
進学選択を気にしなくていいので、社会科学系の授業も取れるかなと思っていたんですけど、必修がたくさんあるので、つい宇宙系の授業を入れてしまいました。研究を進めるうえで、自分の判断能力って、周りの環境によって左右されるから、心理学も学んでみたかったのですが、秋からのAセメスターで履修を考えてみようと思っています。

――まわりの東大生の印象はいかがですか?
ちょっと接しただけだと、話題がどうしても勉強のことになってしまって、あまり個性が見えてこないなって感じていたんですけど、実際に話をしてみると、「そんなこともできるの!」ってびっくりすることが多くて、これからの交流がとても楽しみです。

――授業以外にも、大学で頑張りたいことがあれば教えてください。
一人暮らしを始めて、お金の管理も自分でするようになったので、学生ではあるけれども、ちゃんと自立しないといけないなと思っています。これからは、奨学金の申請であったり、自炊であったり、自分のことは自分でやりくりしながら、生きていく能力を高めていきたいです。

――最後に、これを読んでいる高校生にメッセージをお願いします。
思い切って、自分の好きなことをやってみるのがいいと思います。自分も「勉強があるから」と課外活動を敬遠していた時期もあったんですけれども、本当に好きなことって、一回やってみると、さらに深くのめり込んでしまうものなので、まずは、いろんなことにチャレンジしてほしいなと思っています。

――素敵なメッセージ、ありがとうございました!

 

取材/2025年4月
インタビュー・企画・構成/「キミの東大」編集チーム