推薦生インタビュー2025(まとめ)
推薦生(2025-2018)
2025.07.10
2025.07.10
#学校推薦型選抜(推薦入試)
#学校推薦型選抜(推薦入試)
#学生インタビュー
#学生インタビュー
#推薦生
#推薦生
#文学部の人
#文学部の人
PROFILE
――文学部を選んだ理由を教えてください。
中学3年のときに東大の名誉教授でもあった故見田宗介先生の『社会学入門』という本を本屋で何気なく手に取りました。それまで社会学がどういった学問かほとんど知らなかったのですが、読み進めていく中で、社会を理論的に分析し体系的に説明する鮮やかさと見通しのよさに感動して興味をもちました。そこから現代社会におけるさまざまな事象・現象について、社会学を通じてもっと理解を深めていきたいと考え、文学部の社会学専修に進学したいと思いました。
――学校推薦型選抜に挑戦しようとしたきっかけを教えてください。
高2で参加した「日経STOCKリーグ」というコンテストのチームメイトから、「東大の学校推薦型選抜に挑戦するけど一緒にやってみないか」と高3の1学期に誘われたんです。でも、そのときは自分のそれまでの活動にあまり自信が持てず不安だったので、まずは学校の先生に相談しました。そこでいただいた「テスト以外の基準で評価されることの大変さと楽しさを中高6年間で知ったはずだから、それを発揮するいい機会になるんじゃないか」という言葉が今も印象に残っています。恩師の言葉にも背中を押され、挑戦してみようと意思を固めました。
――学校推薦型選抜の準備はいつ頃から始めましたか?
学校推薦型選抜に挑戦することを決めたのは高3の夏休みごろです。そこから準備を始めたので、9月末から10月いっぱいは一般選抜の勉強は全くせず学校推薦型選抜の書類を書いていました。志願書の作成にあたっては、自分の内面と対話することで自分の意外な一面を発見できたのが楽しかったです。一方、ひとりだとどうしても思考が偏ってしまい柔軟に考えられなくなるので、行き詰まったときには先生や友だちに相談して焦る気持ちを落ち着かせていました。
――大学ではどのようなことを学びたいですか?
社会学の中でも興味があるテーマは「家族」です。家族というと大家族や核家族などを想像しますが、実際はもっと広がりのある概念だと思うんですね。たとえば両親の一方がいない家族や血縁に基づかない家族もあります。そのような日本の家族の現状や課題について、社会学に限らず哲学や思想、歴史などさまざまな分野から考察しながら深く学んでいきたいです。そのほかにも、自分の目で見た社会を理論に反映させたいという思いが強いので、フィールドワークにも関心があります。総じて、これまでの自分の社会学の知識は本からでしか得ておらず不十分だと思うので、前期課程で幅広く学びながら本当に自分がやりたいことを見つけていきたいです。
――なぜ、「家族」をテーマに学びたいと思われたのですか?
問題意識が芽生えたのは中学に入学してすぐのことでした。私は親戚付き合いや近所付き合いが比較的多い環境で育ったのですが、同級生との会話の中で自治会や回覧板がないとか、隣に誰が住んでいるのかすら知らない人がいることを知ったんです。そのとき自分の感覚は環境や境遇など育ってきた過程で身についたものなんだと強く感じました。この問題についてさらに考えていく中で、家族の絆も含めた人間関係の希薄化はよく否定的な文脈で語られますが、地縁や血縁による束縛が弱まった側面などを踏まえれば、一概に悪いことだと単純化はできないと思うようになりました。家族のありかたの新たな展開を探るためにも、多様な視点を取り入れながら思考の幅を広げていきたいです。
――将来就きたい職業や夢はありますか?
今は大学卒業後も社会学の研究を続けたいと思っています。また、これまで社会学を学んでこられたのは、素晴らしい先生や本などとの偶然で幸運な出会いによるところが大きいと実感しています。社会学を学ぶことは多岐にわたる分野で活きるとも思うので、まだ早いですが今度は私が教育やメディアなどを通じて次世代に社会学を伝える存在になりたいです。
――最後に、受験を頑張っている高校生たちにメッセージをお願いします。
思いがけない出会いに対する感度を高めていってほしいです。一つの分野にとどまらず、積極的に、貪欲に学ぶ姿勢が大事だと思います。普段の学習でも、文系志望でも理系の授業を「自分には関係ないから」と言わずにしっかりと聞いていれば、それが思わぬ形で役立つこともきっとあります。能動的な学びはもちろんですが、「受動的な」経験から学ぶことも大切にしたほうがいいのかなと感じます。
――学びの幅を広げる重要性を教えてくださったメッセージ、ありがとうございました!