「中・高で世界40言語を独学で研究。推薦は学んだことをレビューする絶好の機会に」――2018推薦生インタビュー 文学部

#学校推薦型選抜(推薦入試) #学校推薦型選抜(推薦入試) #学生インタビュー #学生インタビュー #推薦生 #推薦生 #文学部の人 #文学部の人

PROFILE

  • 氏名:   梶田純之介さん
  • 出身校:  開成高等学校(東京都)
  • 入学:   2018年 文科三類(文学部進学予定)

――入学してみて、東大はいかがですか?
能動的に学ぶことができるっていうのと、自分の研究テーマは「言語」なんですが、周りの人も自分がする言語の話を聞いてくれるし、相手がしてくれる話も興味深くて、学び合いの場として最高の環境を与えてもらっているという気がしています。

――現在、駒場キャンパスに通っていらっしゃいますが、本郷キャンパスの方には来てますか?
4月、5月と忙しくてまだうかがうことはできてませんが、小林正人先生(文学部准教授)からご案内いただきまして、今度うかがうことになっています。

――なぜ言語に関心を持たれたのでしょう?
最初のきっかけということになると、話は中学・高校時代までさかのぼります。
人間の脳が言語の学習に対してどれだけ耐え得るかという、脳の言語能力の限界みたいなのを知りたいなと思って、個人的に自分を実験台にして、何言語か学ぶことができるのかということを検証していました。その過程で結局、全部で40言語ぐらい学びました。その40言語を学んだことによって、何というか、一つの言語を見るだけじゃなく、広い視野で言語を見ることができるようになったんです。

――メタ的にみることができるように?
はい。俯瞰的に見ることができるっていう、なかなかできない経験をすることができて。それでその経験をしたあとは、言語と思想文化の深い関わり合いに思いをはせるようになってという…。そんな中学・高校時代を送っていました。

――なぜ脳の言語能力の限界に関心があったのでしょう?
具体的な理由が思い出せないんですが、とにかく興味があったんです。脳についてすごく知りたいなと思った時期もあったので、脳についての興味から、いつの間にか言語に向かっていったような感じです。

――ちなみに地球上に言語はいくつくらいあるのですか?
諸説ありますが、7000ぐらいあるっていうのが一応目安にはなっています。ただ、言語をどこで区切るか、たとえば一つの言語としてみるのか、方言としてみるのか、という分類の仕方によって、その数は大きく変わってきます。

――7000言語のうち40言語を独学で?
独学ですね。中学・高校で教えてもらうってことはなかなかなかったので。

――言語学オリンピックにチャレンジなさってますよね。いつからチャレンジされ始めたのでしょう?
それは比較的遅くて、高校の3年生のときです。2年生のときに知って、3年生の夏に出場しました。ここでの経験が、僕にとってはちょっと衝撃的でした。
言語学オリンピックの問題を解くことそれ自体楽しかったんですが、同時に国際交流の中で、イギリスとアイルランドの間にある、マン島の代表として来ていた生徒との出会いがあって。その代表の人に言語を教えてもらったり、またこちらが日本語を教えたりっていう、そういう経験をしたんですね。マン島語を教えてもらううちに、マン島語の構造とか文法構造がすごく面白いなって思い始めたんです。推薦入試のときに提出した論文は、そのことで作成したものになります。

――英語とは違うんですか?
英語とは全く違って。ケルト系の言語なのでアイルランド語とかに近いです。かといってアイルランドとも違う。

――その地域の文化とかものの考え方と言語の結び付きについて研究されていらっしゃる?
そうですね。研究とまではいかないまでも、そういうことに関心があります。特にマン島語で面白かったのは、言語と言語が接触したときに変化が生じるんですが、そのときに人々の思考はどうなるのか、ということがすごく面白かったんです。

――これからはそういうことをやっていきたいなと思ってるわけですね?
はい、そうですね。

――それにしても、40言語をやってる人って、めったにいないですよね。
かなり変人だと思います。

――ご出身の高校は男子校ですから、推薦入試は1人しか出せないわけですが、ライバルはいたのでしょうか?
他にも推薦入試での出願を考えていた人はいたらしいです。

――選考はあった?
直接顔を合わせての対決はないですけど、一応模擬プレゼンを校内でやりましたね。先生方に見ていただいて最終的に決定したことのようです。

――わかりました。梶田さんだったら、「言語」から自分の関心が揺らぐというような不安や迷いはなさそうですね。
それは全くないですね。

――幅広い視野を持ってらっしゃるから、教養の授業より早く専門をやりたいといったこともない?
できれば幅広く学びたいというのが希望なんで、駒場の授業もしっかりやっています。

――前期日程試験はどこに出していましたか?
東京大学の文科三類に出していました。他の大学には全く出願はしてなかったですね。

――海外留学は考えなかったですか?
現時点で英語力がないと私自身思っているので、駒場でちゃんと英語を学習して、本郷で言語学を究めてから、その後に留学しようという計画を立ててます。

――まず東大でいろいろやってから、というようなことでいらっしゃるのですね。
はい。

――わかりました。では最後に、高校生活もしくは推薦入試や東大に入学しての感想など、後輩の方々に一言メッセージをお願いします。
高校生の人たちに東大の推薦入試を受けてもらいたいなと思っています。中高時代の自らの学びを一度レビューするというのは、とてもいい機会になるからです。そして、その自分の学びというのを東大の先生方の前でぶつけて意見を戦わせるという経験はすごくプラスになる。リスクもなくはないですけど、それを顧みずに果敢に挑戦してほしいなというのが、高校生たちへの強い願いです。
中学・高校と6年間という豊富な時間を、できるだけ外に出ていって、実地で学んでほしいなと強く思います。私も実地で学んだり、あるいは海外でのフィールドワークをしたりして積み重ねた研究が推薦入試に生きました。
広い視野を持って俯瞰的に学問を見るということは、大学に入ってからも役に立つんじゃないかなと自分の経験を振り返りつつ、思います。

――ありがとうございました。
 

取材/2018年4月
インタビュー/東京大学高大接続研究開発センター教授・濱中淳子
構成/大島七々三
※ページ内容は作成時のものです。