「ゲーム理論を学び、対馬出身の視点で地方と都市の教育格差の課題に取り組みたい」―2024推薦生インタビュー 経済学部

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PROFILE

  • 氏名:   黒岩春人さん
  • 出身校:  長崎県立対馬高等学校
  • 入学:   2024年 文科二類(経済学部進学予定)

――東大を志望した理由を教えてください。
ゲーム理論に興味があって、この分野において研究が進んでいる東大を志望しました。VTuberをよく見るんですけど、あるVTuberの方が大学時代にゲーム理論を専攻していたと聞いて、高1の頃から、本を読んだり、いろいろ調べたりするようになりました。東大はUTMDという、僕が関心のあるマーケットデザインを専門に研究する機関を設立していることも、学びたいと思った理由のひとつです。

――学校推薦型選抜に挑戦しようと思ったきっかけはありますか?
たまたまネットニュースで東大の学校推薦型選抜を知って、自分の学力やまわりの環境的にも有利なのかなって考えて、学校推薦型選抜を視野に入れながら一般の勉強もしていきました。

――学校推薦型選抜が有利だと感じたのはなぜですか?
東大の学校推薦型選抜の目的は、学生の多様性を広げることだと思っていて、僕は長崎県の対馬っていう離島出身なので、日本の端からの志願者というだけで、教授の方々の印象に残るのではないかと考えました。一般的には様々な理由から、地方の高校生は不利だと言われているんですけど、逆にそのことを前向きに捉えて、提出書類も対馬出身だからこそ書ける内容を書こうと思って、地方と都市の教育格差の是正について書きました。

――教育格差の是正をテーマに経済学部を志望したのはなぜですか?
ゲーム理論のマーケットデザインという分野は、基本的に制度の改善を通して社会を良くしていくという学問で、教育格差の原因は、教育資本の配分の不均衡にあると考えました。僕は、教育格差だけではなく、基本的に広く社会課題を探究していきたいという思いがあるので、資源の配分を探究していく経済学を学びたくて、経済学部を志望しました。

――学校推薦型選抜の準備では、どのようなことが大変でしたか?
やっぱり、学校推薦型選抜に関する情報を集めるのが一番難しかったです。地方に住んでいる高校生は、多少なりとも僕と同じようなことをしていると思うんですけど、東大の学校推薦型選抜に挑戦した先輩がまわりにいなかったので、インターネットで体験談を書いている方にコンタクトをとってお話を聞いたり、いろいろな大会があることも知らないので自分で調べたり、インターネット上の情報しかないっていう点では、かなり苦労しました。

――受験勉強のモチベーションを保つにはどんなことをしましたか?
受験勉強をしていて、目の前の勉強から逃げ出したくなるときは「こうなったらいいな」という未来を想像することで心を落ち着かせていました。僕は研究者になりたいと思っているので、研究者になって自分の好きなことを研究している将来像を思い描き、モチベーションを高めていました。

――入学後、学業以外で挑戦したいことはありますか?
地方の中高生に対して教育支援を行っている教育系サークルに入ろうと思っています。自分の経験も活かし、力を入れて活動に取り組みたいです。

――最後に、高校生へメッセージをお願いします。
とくに地方の高校生に伝えたいのは、学校推薦型選抜は地方出身者にとって、東大をめざす貴重な機会だということです。能力があるのに挑戦できないのは、情報がほとんどないからという理由もあると思うんですけど、とにかく早い段階から情報を仕入れて、自分からアクションを起こしていくことが大事だと伝えたいです。僕の出身校からも東大に進むのは、恐らく初めてらしいんですけど、「自分は地方だから無理」っていう理由で諦めないでほしいなって思います。

――地方の高校生のみなさんに向けた心強いメッセージをありがとうございました!

取材/2024年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム