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「学生新聞記者を通して知った、自分からは見えない世界。さらに言葉の力を信じていきたい」―2024推薦生インタビュー 文学部

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PROFILE

  • 氏名:   丹羽美貴さん
  • 出身校:  富士見中学校高等学校(東京都)
  • 入学:   2024年 文科三類(文学部進学予定)

――文学部を選んだ理由を教えてください。
幼い頃から、文章を書いたり、人に物事を伝えたりすることにすごく興味があって、中高生のときには、新聞社でジュニア記者として活動をしていました。その取材を通して、さまざまな方に印象的なお話を聞く中で、私がこれまで見ていた世界には、時に私の偏見や主観を押しつけていた部分があったのではないかということに気づいたんです。これをきっかけに、社会を俯瞰できる学問を学びたいと思い、文学部の社会学研究室を志すようになりました。

――学生新聞記者の活動を通して学んだことはありますか?
自分の興味関心の幅が大きく広がったことが大きいですね。私自身は文系でしたが、取材内容は天文学だったり、生物学だったりと今まで触れてこなかった分野を取材することで、さまざまな学問のおもしろさに気づけました。また、興味が発展して手話や夜間中学校のワークショップを開催することにもつながりました。

――学校推薦型選抜に挑戦してみようと思ったきっかけを教えてください。
一つは、記者活動やワークショップなど、自主的に行ってきた活動を集大成としてまとめる良い機会だと感じたからです。もう一つは、文学部の試験には先生方へのプレゼンテーションや面接があるので、自分のやってきたことを東大の先生の前で話せる機会があることに魅力を感じました。

――学校推薦型選抜の準備はいつ頃から始めましたか?
高校1年のときから、東京大学を志望していたのですが、2年になって、先生から勧められたことで、学校推薦型選抜を視野に入れて準備を始めました。私は、提出資料がかなり多かったので、2年のうちに、自分の書いた記事などはすぐに取り出せるようにまとめておき、提出する論文や志望理由書の作成には、3年の6、7月くらいに取り組み始めました。

――準備をする中で、工夫したことや意識していたことはありますか?
初めて志望理由書を書いたときは、「自分は記者をやっていました」、「このワークショップを開きました」と実績だけを羅列してしまい、それだけで文字数が埋まってしまいました。そんなとき、高校の先生から、「今までやってきたことを一直線でつながるように並べていって、初めて読んだ人に『あなた』が伝わるように書くことが重要だ」とアドバイスをいただいたことで、どういう問題意識で取り組んで、だからこういった活動をして、それによってどう変わったのかという、活動の前後の変化を意識して書くようにしました。

――大変だなと感じたときは、どのようにしてモチベーションを保っていましたか?
一般入試に向けて勉強もしていたので、両立するのが難しい面もあったんですけど、くじけそうなときほど、「何としてでも東大で学びたい」という強い気持ちで自分を奮い立たせていました。そのほかにもよくやっていたのが、学校推薦型選抜に挑戦することが決まってから、たくさんの方が応援してくださっていたので、みなさんの喜ぶ顔を思い浮かべていました。

――大学ではどのようなことを学びたいですか?
高校まで新聞一本で進んできたからこそ、大学では、社会学だけではなく、もともと興味のあった言語や福祉など、様々な世界も知りたいなと思っています。ほかにも「AIと新聞」というテーマで論文を書いたときに、哲学や思想とも関連が深いということに気づいたので、日本語の美しさとは何かといった抽象的なテーマについても考えていきたいです。

――将来の夢や目標を聞かせてください。
文学部の社会学専修課程で人間社会の構造を広く学び、その後は、大学院の情報学環・学際情報学府に進学したいと考えています。将来は、社会の様々な立場の人の声を伝えられる新聞記者をめざしていて、社会に何か還元できる人になりたいと思っています。

――最後に、高校生へのメッセージをお願いします。
最後まで自分の可能性を信じることが大切です。私はまわりの方々に恵まれていて、みなさんが私の可能性を信じて応援してくれたからこそ、合格できたとも思っているんですけど、自分の可能性を一番信じているのは自分であってほしいなと思っています。成績が伸びなかったり、準備が忙しいと感じたりするときもあるかもしれません。でも、そこで自分のやってきた活動を疑ってしまわずに、どんなときも信じ続けてほしいです。そうしたら、合格も近づいてくるのではないかと思います。

――自分の可能性を信じ続けてきたからこそ、今の自分があるんですね。ありがとうございました!

取材/2024年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム