「開発経済学を通して、現代経済のあり方と資本主義のその先を捉えたい」―2024推薦生インタビュー 経済学部

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PROFILE

  • 氏名:   池田高啓さん
  • 出身校:  灘高等学校(兵庫県)
  • 入学:   2024年 文科二類(経済学部進学予定)

――東京大学の経済学部を志望した理由を教えてください。
僕は開発経済学を学びたいと考えているのですが、以前読んだ『貧乏人の経済学』(バナジー、デュフロ著)という本を訳されていた、開発経済学という分野において著名な澤田先生のもとで学びたく東大の経済学部を志望しました。一方で、経済学だけにとどまらず、文学や哲学など様々な分野に興味があり、東京大学でなら、前期教養課程で他分野からも学びを得つつ、後期課程で専攻する学問に向けてブラッシュアップしていけるというところにも魅力を感じました。

――なぜ、学校推薦型選抜に挑戦しようと思ったのですか?
はっきりとは覚えていませんが、高校3年になってから、先生から学校推薦型選抜の制度について紹介を受け、受験を考えてみないかと声をかけられたのがきっかけだったと思います。その後調べるうちに、自分が受験資格を満たしていることがわかったので挑戦を決めました。単純に合格のチャンスが1回増える上に、早期履修の制度で前期課程から専門科目を早く学べるところも理由の一つです。

――受験勉強で、自分なりに工夫したことはありますか?
一般入試でも東大を受けようと考えていて、学校推薦型選抜入試の準備と並行して行うとごちゃごちゃになると思ったので、取り組む作業を期間で分ける工夫をしました。僕の場合は、推薦の1次選抜、要するに書類選考の準備は夏休みの後半にまとめて取り組み、その後は、体育祭の応援団での活動に多くの時間を割きつつ、11月は2次選抜(面接)のための経済の勉強にあてました。一般入試に向けての勉強は、定期考査や模試前に集中して行いつつ、推薦の2次選抜を終えてから本腰を入れて取り組みました。

――東大に入学して、印象はいかがですか?
先輩たちから話を聞いていたので、大学生活や環境など、ある程度のイメージはできていましたが、クラスの友人も推薦生も、初めて会ったときから気さくに話しかけてくれて、とても社交的な人が多いなと感じました。

――勉強や研究以外で、大学でやってみたいことはありますか?
高校では、運動部のキャプテンをやっており、部員も少なく、強豪というわけでもなかったのですが、勝ち負けに一喜一憂できて、清々しいぐらいに練習したいという気持ちで日々活動していました。大学では元のスポーツを続けるか、新しくラクロスやアメフトなどのカレッジスポーツを始めるかで迷っているところです。いずれにせよ大学でも運動会でスポーツを続けたいなと思っています。

――将来像はどのように描いていますか?
大学を卒業したら、青年海外協力隊としてアフリカや中南米に行って、現地の実情に触れ、研究に繋げたいと思っています。というのは、僕は小学生の頃から、ものの尺度や他の物事との差異、価値づけが中心に据えられる資本主義的な世界に対してある種の厭世観みたいなものがあって、その出口をずっと探しているような感覚なんです。開発経済学を専攻したいのも、後進国の効率的な開発をめざしたいというよりは、開発の対象となるような国の経済は、もともとどういう形をしていて、どう発展した結果、今どういう形をしているのか。それはもっと自給自足的で、共同体的で、現物的な形かもしれないし、開発がそうした多様な経済のあり方を失わせてきたかもしれないことに敏感でありたいと思ったからです。非西洋のもつ経済理念と開発との関係を見つめ直し、現代思想とも交差しながら、現代世界経済の様相を俯瞰的に研究していきたいです。

――学校推薦型選抜で受験を考えている高校生にメッセージをお願いします。
学校推薦型選抜に挑戦するということは、学業や研究などでの目に見える実績が要求されるのは確かだと思うんですよね。僕も要求されて提出したものはあるんですけど、それよりも、本当に自分を奮い立たせる何か、自分の幹となる何かというのは、目に見える実績や成績の値なんかとは違うところにあるのかもしれないなって思っています。それが何なのかを見極めることを頑張って、自分の大切にしてきた価値観を学校推薦型選抜の場でもしっかり貫いて、発信してほしいです。

――応援メッセージをありがとうございました。

取材/2024年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム