「幼い頃から憧れてきた建築。いろいろな人にとって居心地のいい居場所をつくりたい」―2023推薦生インタビュー 工学部

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PROFILE

  • 氏名:   野口佳音さん
  • 出身校:  成蹊高等学校(東京都)
  • 入学:   2023年 理科一類(工学部進学予定)

――東大の工学部を志望理由を教えてください。
私は主に建築を学びたいと思って、工学部を志望しました。例えば、図書館や役所のような、人が集まる施設をつくりたいと考えていて、その施設を、外国の方や、障害を持っている方、マイノリティだと感じている方など、誰もが利用しやすく、自分の居場所だと思ってもらえるような場所にしたいです。バリアフリーだけじゃなくて、居心地がいい、この空間に自分が含まれていると感じられるような居場所づくり、ここを居場所にしていいんだって誰もが思えるような建物をつくりたいと思っています。

――どのようなきっかけでそのように考え始めたのですか?
幼稚園の頃にテレビで見た建築士に興味をもって、そこからずっと建築を学びたいと思っていました。中高生になって自分がつくりたい建築物を考え始めたんですけど、海外にも興味があったので、高校1年のときに1年間アメリカに留学をしました。そこで、学校の教室に人が集まってきて、授業外の時間にも自然と人の輪ができるような建物のつくり方が素敵だなと感じました。それぞれが自由に行き来するような環境であっても、人と関われているような感じがしたのは、きっと建築の工夫にも関係するのかなと思って、詳しく知りたい、自分でも研究してみたいなって興味をもちました。

――学校推薦型選抜の準備はどのように進めましたか?
学校推薦型選抜の受験を決めたのが、高2の夏から秋にかけてだったので、先生にどういう感じなのかということは聞いていましたが、まだ準備はしていませんでした。でも、そのときに高校の先生から、「受ける受けないに関係なく、今後もきっと役立つから、自分が今までしてきたことや将来やりたいことなど、自分のことを理解するためにもポートフォリオのようにまとめておいたほうがいい」とアドバイスをいただきました。それを受けて、高2の春休みから、受験の準備というわけではなく自分がしてきたことを整理し始めました。学校推薦型選抜の準備では、それをもとに提出できる形に整えたという感じです。

――学校推薦型選抜の準備を通して、大変だったことや学んだことがあったら教えてください。
まず、留学で1年間学習が遅れていた部分があったので、そこを追いつかせるのがやっぱり大変でした。最終的には一般入試も受けようと考えていたので、そのことを考えると、こんなに勉強ができていないのに志望理由書とかを書いていていいのかなとか思うこともあって、焦りを感じていました。でも、学校推薦型選抜の準備をする中で、自分がやってきたことや興味をもっていることが明確になって、もし落ちたとしても、自分のことを自分でもより理解を深めることができたし、この先やりたいこともはっきりしたので、それはすごく役に立ったなと思います。

――大変なときには、どのようにしてモチベーションを保っていましたか?
ずっと大学に入った後のことを思い浮かべていました。「これを乗り越えたらこんなことがあるんだろうな」と推薦生の先輩方のインタビュー記事を読んだり、入りたい部活のことを調べたりして、モチベーションをアップさせていました。

――大学ではどのようなことを学びたいのですか?
前期課程はいろいろな講義を取れることがメリットだと思っているので、建築だけに興味を絞らずに、幅広く学びたいです。先ほども言ったように、マイノリティの方や異文化の意見にも興味があるので、それぞれの考え方やその違いを生む歴史的な背景や社会的な背景など、人に関することを学びたいなと思っています。

――研究や勉強以外で、サークルや部活でやってみたいことはありますか?
私は中高から剣道部に入っていたので、運動会の剣道部に入ろうと思っています。あとは高校時代にバンドを組んでいたので、それも続けたいなと思っていて、今、軽音のサークルを何個か見学しているところですね。

―東大に入って数日が経ちましたが、印象はいかがですか。
やっぱり、自分の知らないことを知っている人たちがたくさんいるなと思いました。クラスの人たちも、もちろんそうですし、推薦生の集いでほかの推薦生に会ったときは、それぞれの興味分野がしっかりあるので、それがすごく刺激的でした。いろんなことをたくさん知っている人と話すのがとても楽しいです。

――最後に、高校生、受験生へのメッセージをお願いします。
私が高校生のとき、推薦生のみなさんってすごいことをされている方ばかりなんだという印象をもっていたんですけど、私みたいに研究をしていなくても、「こういうことがしたい」と強く思っているだけで目指せるんだっていうことを、高校生のみなさんに、もっと知ってもらいたいです。研究ができていないから「挑戦できない」と思わずに、やりたいことが決まっているんだったらどんどん挑戦してみてほしいなって思います。
あとは、勉強も大切ですが、やっぱり勉強、勉強になっちゃうと高校生活ってあっという間に終わってしまうので、なるべく学校にいる間は友達とたくさん関わってほしいなとも思います。

――心強いメッセージ、ありがとうございました!充実した学生生活を過ごしてください。

取材/2023年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム