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「データ分析を活用し、国籍や性別による格差のない世界の実現に向けて開発経済学を学ぶ」―2023推薦生インタビュー 経済学部

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PROFILE

  • 氏名:   相場俊輔さん
  • 出身校:  早稲田高等学校(東京都)
  • 入学:   2023年 文科二類(経済学部進学予定)

――経済学部を志望したきっかけを教えてください。
JICAの職員として働いていた祖⽗の影響で、もともと発展途上国の⼦どもたちが貧困から抜け出す⼿助けがしたいという思いはあったのですが、⾼校1年のときに東⼤の経済学部のオープンキャンパスに参加したことがきっかけで、さらにその気持ちが高まりました。
オープンキャンパスでは、インドの学校にカメラを設置すると教員の⽋勤が減るとともに⽣徒の成績が向上するといったことや、給⾷を実施すると通学率が上がるということが統計により明らかになったという話を聞き、さまざまなデータを分析することによって経済格差が解消されて世界の幸福度が上がるということを知りました。このことから、開発経済学を学んで社会格差是正に貢献したいと考えたので、経済学部を志望しました。

――その関心から、高校時代に活動されたことはありますか?
開発経済学は難しい分野なので、それに直結することというのはあまりないですが、経済学に取り組む上で、中学時代には税に関する作⽂を書いて賞を受賞したことがあります。⽇本での教育格差や世界に比べて⽇本は教育にかかっている費⽤に対する国の補助⾦が少ないことによる弊害について書きました。⾼校時代には、経済学を学ぶために役⽴つと思ってデータサイエンス数学ストラテジスト上級という資格を取得しました。統計学で⽤いる関数についての知識や⼤学数学など、経済学の⼟台になる数学の知識を問われる資格なのですが、数学に興味があったのと、オープンキャンパスに参加したときに「経済学部で学ぶためにどのような準備をしたらいいか」という質問に対して、「数学のスキルを磨いてください」という回答をいただいたので、⼊学後に役⽴てばと思って取得しました。

――開発経済学への関心から、学校推薦型選抜を選んだ理由を教えてください。
学校推薦型選抜は以前から知っていたのですが、実際に出願しようと思ったのは⾼校2年⽣になってからです。⼤学で学びたい分野が早めに決まっていたので、学部が確定している学校推薦型選抜もいいなと思って、⼀般⼊試の勉強と並⾏して準備する形で出願しました。

――学校推薦型選抜の準備はどのように進めましたか?
やらなくてはいけないことが多かったので⼤変ではあったのですが、家族や学校の先⽣に⽂章を見てもらったり、相談したりしながら準備を進めました。準備する中で、オープンキャンパスで感じたことを振り返ってまとめる作業があったので、⾃分と向き合うことで興味の焦点が定まって、開発経済学を学びたいということが明確になりました。

――準備ではどのようなことが大変でしたか?
経済学には関⼼があったのですが、開発経済学に結びつくまでには⾃分の興味がぼんやりとしていたので、それをきちんとまとめる作業、こういうことがやりたいといったことをしっかり⾔葉に落とし込んで資料にする作業は少し⼤変でした。でも、時間をかけて準備した甲斐があって、終わったときは教授に⾃分のやりたいことや得意なことがしっかり伝わったのではないかと思えたので、達成感でいっぱいでした。

――大変なときには、どのようにしてモチベーションを保っていましたか?
学校推薦型選抜を受けて、共通テストまで終わった後は、やはり、⾃分が学校推薦型選抜に受かっているかどうかが気になって、勉強がはかどらないこともありました。でも、経済学部を志望する上で『経済学を味わう』という、東⼤の経済学部の教授がオムニバス形式で書かれている本を読んで、この先⽣たちの下で学びたい、どうしても⾏きたい⼤学だと思って、やる気を奮い⽴たせていました。

――入学後にシラバスをみて、興味のある授業はありましたか?
現代経済理論という経済学部の先⽣⽅がオムニバス形式で講義をしてくださる授業に⼀番関⼼があります。特に東京⼤学経済学部を⽬指すきっかけとなるオープンキャンパスで授業をなさっていた⼭⼝慎太郎教授の回と開発経済学を専⾨にされている澤⽥康幸教授の回が楽しみです。
また、もともと数学に興味があるので、数理・情報の科⽬については必要単位数に関係なく、たくさん取りたいと考えています。

――授業以外で、大学生活でやってみたいことはありますか?
中⾼6年間、部活動でフェンシングに打ち込み、全国⼤会にも出場できたので、⼤学でも続けたいと思っています。ちょうど、フェンシング部の体験にも⾏ってきました。そのほかには、プログラミングもやってみたいと思っています。

――まわりの東大生の印象はいかがですか?
留学を考えていて語学に⼒を入れていたり、起業しようと準備を進めていたり、ゼミに参加していたりするなど、明確な⽬標を持ってすでにスタートを切っている学⽣も多々いて、その姿勢には刺激を受けます。

――将来の目標やこんな仕事がしたいというイメージはありますか?
国籍や性別、収⼊に関係なく、誰もが望んだだけの教育を受けて、⾃分の進みたい道に進める世界の実現に向けて尽力したいと考えています。具体的な職業はまだ決めていませんが、そのような⽬標を叶えられる仕事を⽬指したいと考えています。

――頑張っている高校生へメッセージをお願いします。
⾼校⽣活というのは思っているよりずっと短いので、迷ったらトライするほうを選んでほしいと思います。どんなに⼩さいことでも、向いていないのではと思うことでも、取りあえずチャレンジしてほしいと思います。チャンスはどこに転がっているか分からないので諦めないでほしいです。

――勇気の出るメッセージをありがとうございました。

取材/2023年4月
インタビュー・構成/「キミの東大」企画・編集チーム