推薦生インタビュー2024(まとめ)
推薦生(2024-2018) 2024.07.24
2022.06.29
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PROFILE
――大学で何を学びたいと思って、薬学部を志望されたのですか?
高校1年の生物基礎の授業で、人のホルモンとかサイトカイン(免疫系細胞から分泌されるタンパク質)に関する動画を見たんですけど、その時、体内では、免疫細胞からサイトカインという物質が分泌されて、サイトカインの種類によっては、医療に応用する取り組みがあることを知りました。そのことにとても感銘を受けたことがきっかけで、大学ではタンパク質に関わる研究がしたいなと思って薬学部を選びました。
――どのようにして、学校推薦型選抜への挑戦につながっていったのですか?
東大を意識し始めたのは高校3年の春ぐらいからで、夏休み頃に学校推薦型選抜があることを知りました。タンパク質の研究は、理学部でも工学部でも薬学部でもできると思うんですけど、募集要項を読むとコミュニケーション力やプレゼン力を重視している薬学部の求める学生像に自分が合致しているなと思って、学校推薦型選抜に挑戦しようと思いました。
――学校推薦型選抜では、どのようなことをアピールしましたか。
僕の場合、国際科学オリンピックなどでの目立った功績はないので、高校時代の活動のポイントとして、学校でできることを最大限、全力でやってきたことが一番アピールできることだと思いました。高校時代の活動を通して、鍛えられたコミュニケーション能力やプレゼン力は、分野融合の動きが著しい薬学の世界でも必要になってくると思ったので、薬学部でも役に立てるのではないかということをお話させていただきました。
――高校時代、全力で取り組んだ活動について、ぜひ、教えてください。
例えば、高校の総合的な探究の時間で変形菌という生物に関する研究をしたり、シンガポールや北京での短期交換留学のような相互交流プログラムには積極的に参加したりしました。新型コロナウイルス禍に入ってからは、文化祭実行委員の委員長をやって、「新型コロナウイルス禍の中でも、できる文化祭を作ろう」というコンセプトで活動し、他校の生徒にも働きかけました。いろいろなことを幅広く体験したことによって、たくさんの人とコミュニケーションを取りながら、一つのものをまとめ上げていく力が身についたんじゃないかなと思っています。
――出願書類として、どのようなものを準備しましたか?
出願書類は、高校で書いた論文の概要、国際活動や文化祭でやってきたことなどを自分で文章に起こしてまとめました。やってきたこと全部を詰め込んだので、少しまとまりは悪かったかもしれませんが、最終的にはA4、30枚ぐらいの書類になりました。また、担任の先生には推薦書を書いていただいたんですけど、全部先生にお任せするわけにはいかないので、「こういったことを書いてほしい」とか「こういったことをやってきたから、こういう内容で書いてほしい」とか相談しながら一緒に作っていきました。
――学校推薦型選抜に挑戦して良かったと思いますか?
僕は学校の勉強も課外活動も全力でやってきたのですが、そのぶん器用貧乏なところがあって、それが少しコンプレックスでした。でも、学校推薦型選抜のための書類やプレゼンテーション資料を作るために、「自分の経験はこういう方向で活かせるんじゃないか」、「分野融合でも活かせるんじゃないか」というように、自分の特性を活かす道をしっかり考えることができたことが、とても良かったと思います。
高校3年の夏頃までは、一般入試でも東大を目指そうと思って勉強をしていたので、とにかく偏差値を上げることしか考えられなくて、何がやりたいのか分からなくなっていた時期だったんですけど、そういう時に、学校推薦型選抜の準備をすることで、自分の将来にも目を向けることができて、東大を目指す目標が持てたことは、一般入試の勉強をするうえでも、プラスになったかなと感じています。
――大学ではどのように活動を広げていきたいと思っていますか?
前期課程から薬学だけに絞ってしまうのはもったいないと思っているので、総合科目も幅広く学べたらいいなと思っています。あとは教職にも興味があるので、授業は教職科目も取ってみたいです。学業以外では、小さい頃からバイオリンをやっているので、オーケストラのサークルに入りたいと思っています。いろんなことに手を出しすぎかなと思っているんですけど、視野を広げて活動していきたいです。
――東大に入学してから数日経ちますが、クラスの印象はいかがですか?
個性的な人が多いなっていう印象があります。高校のときは関東圏の人たちとしか関わってこなかったのですが、地方から来た人とも関われるのがすごく面白いです。それ以外にも、仮面浪人をしていた人とか、他大学を卒業してから東大に入学した人とか、いろんな経験をしている人に会えるので、とても刺激的な毎日になっています。
――最後に、学校推薦型選抜の先輩として、高校生にメッセージをお願いします。
僕の高校時代のポリシーは、「やるかやらないか迷ったら、やる道を選ぶ」でした。高校の文化祭は9月だったので、受験との兼ね合いで、高校3年で文化祭実行委員長をやるかどうかとても迷いました。でも、その文化祭での経験は、結果的には学校推薦型選抜にも活かすことができましたし、高校でしかできない経験でした。受験勉強で気持ちに余裕がなくなることもあるとは思うんですけど、まずは目の前の高校生活を全力で楽しみ、充実させてほしいなって思います。高校時代に挑戦したいろいろな経験が、将来のビジョンや受験につながっていくと思うので、「高校時代を楽しんでほしい」というのが、一番伝えたいことですね。
――挑戦するかどうか迷っている後輩へのメッセージ、ありがとうございました!