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「自分が東大なんて」と感じていた引け目。背中を押され、東京で心に決めた夢を追う―文学部3年・東大生インタビュー

「自分が東大なんて」と感じていた引け目。背中を押され、東京で心に決めた夢を追う―文学部3年・東大生インタビュー

Student Voice

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STUDENT VOICE

氏名:  関口 瑛梨(せきぐち・えり)
出身校: 秋田県立秋田高等学校
所属:  文学部 人文学科 美学芸術学専修課程 3年
入学:  2016年度 教養学部文科3類

「歌舞伎を観に行けるから、東京に来て良かった!」

関口さんは目を爛々らんらんと輝かせながら言った。生まれも育ちも秋田県。東京には、美味しいご飯屋さんやお洒落な古着屋さんなど、故郷ではなかなか味わえないワクワク感があるのだという。とりわけ歌舞伎は、ドラマに出演していた歌舞伎俳優がカッコ良かったことをきっかけに、大学1年生の時から観劇するようになった。今では月に2、3回のペースで歌舞伎座に足を運ぶほど好きだ。大学でも歌舞伎の研究がしたいと思い、現在は文学部の美学芸術学専修課程に在籍し、幅広く芸術の勉強をしている。

東大を志望したのは高2の夏、定期テストで文系のトップになった時だった。もっとも、それ以前も高校の先生から東大を薦められることはあった。しかし、東大や京大を志望する高校生向けの模試を受けた時、成績上位者の点数が自分とはあまりにかけ離れていることを知り、「自分が東大なんて」と引け目を感じていた。そんな関口さんの背中を押してくれたのが、高校の先生だった。

もともと、東京に行きたいという気持ちはあった。年に1、2回は家族で東京観光をしていたこともあり、東京へ進学するということへのハードルは高くなかった。秋田で生まれ育った関口さんにとっての大学進学は、実家を離れて一人暮らしを始めることを意味した。そのため、一人暮らしに対する不安感もほとんどなく、両親も東大受験を応援してくれたのだそう。

高校時代に抱いていた将来の夢は、英語やフランス語などの外国語を習得して、グローバルに働くことだった。だが大学入学後、すぐに挫折を味わうことになる。自分よりもずっと語学に長けている東大生が、周囲に大勢いたのだ。

「外国語を究めるのはやめよう」。一見、将来の夢を諦めた選択にも思えるが、実際はそうではなかった。むしろ、幼いころから胸の奥にあった一つの願望を叶えるための挑戦へと、関口さんを導く起爆剤であった。——「アナウンサーになりたい」。

それは、小学校6年生の頃からの夢だった。テレビで活躍する女性アナウンサーに憧れて、高校では放送部に入った。だが、アナウンスコンテストに出場しても取り立てて好成績を収められたわけではなく、いつしか自分はアナウンサーに向いていないと思うようになった。

それでも、関口さんは諦めなかった。自分を変えるなら、大学を卒業して社会人になる時が最後のチャンスだと自分に言い聞かせて一念発起。必死にアルバイトをしてお金を貯め、大学3年生の春にアナウンススクールに入校した。今は学業の傍らでスクールに通い、アナウンサーになるための練習を積んでいる。

 
そんなチャレンジ精神溢れる関口さんも、料理はあまり得意ではないよう。高校生へのメッセージはと訊くと、「家庭科をしっかり勉強しておくこと。自炊でも役に立つし、料理ができると良い気分転換にもなるはず」とはにかみながら答えた。

そうは言うものの、やはり東京での一人暮らしは楽しくて仕方がないという。秋田からやってきた一人の努力家に、いつの日かお茶の間で再会することを楽しみにしていよう。

2018.11.16
取材・構成/学生ライター・伊達摩彦