柏キャンパス

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学問体系の根本的な組み換えをも視野に入れた学融合を志向する第3の主要キャンパス。それが柏キャンパスである。伝統的な学問分野を極める本郷キャンパスと新たな学際的領域を開拓してきた駒場キャンパスに加えて、2000年に21世紀における新たな学問の発展に向けた構想に基づいて建設された。柏キャンパスは、構成員の60%以上を大学院生が占め、「知の冒険」をめざしてさまざまな新しい取り組みが行われている。

東京大学柏地区キャンパスは、千葉県柏市に位置し、柏、柏II、柏の葉駅前の3つのキャンパスから構成されている。最寄り駅は柏の葉キャンパス駅(つくばエクスプレス)であるが、最寄りと言ってもキャンパスと駅は2kmほど離れており、駅からは学生無料のシャトルバスが運行されている。ほとんどが大学院生のためか、ほかのキャンパスとは少し異なり、緑豊かで落ち着いた印象を受ける。

広大な敷地に、大学院新領域創成科学研究科、宇宙線研究所、物性研究所、大気海洋研究所、国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構、空間情報科学研究センターなどがあり、大学院や研究所を中心とする拠点となっている。大学院新領域創成科学研究科は、伝統的な学問だけでは扱いきれなくなった分野横断的な重要課題に取り組み、新しい学問領域の創成をめざした研究科である。研究所やそのほかの施設には、最先端・大型実験施設が整備されており、日々研究が進められている。


広大な敷地に最先端の研究施設が立ち並ぶ、近未来的な雰囲気をもつ柏キャンパス

研究所の建物をつなぐ一直線のけやき並木は「学融合の道」と呼ばれており、モニュメントやパネルで研究紹介がされている。そこを通るだけで、この地で何が学ばれているのか、何が生み出されているのかを垣間見ることができる。

また、柏キャンパスは東京大学のグローバル拠点としても位置づけられており、留学生や外国人研究者も多数在籍している。世界トップクラスの研究者との交流機会も多く、国際的なコミュニケーション力を身につけることができる。加えて、お昼どきになると「プラザ憩い」や「カフェテリア」は昼食をとる人々で賑わっており、リラックスした雰囲気の中で楽しく国際交流を深めている姿があちこちで見られる。また、新領域創成科学研究科に在籍するすべての学生は「創域会」に所属している。そのうち「創域会学生部」では、大学の学生組織として大学とともに、Happy Hour、運動会、BBQ等さまざまな行事を運営しており、柏キャンパス全体での異文化交流の機会も設けている。


物性研究所の正面にあるカフェテリアで、国際色豊かな仲間たちとともにランチタイム

大学院生が多く過ごしていると聞いて、「研究ばかりに没頭しているのでは?」と思った方も多いだろう。もちろん、研究をハードにこなさなければならないときはあるが、息抜きも忘れてはならないポイントである。じつは、柏キャンパスにも所属学生向けのサークルがあり、それぞれが活発に活動を行っている。また、広場やグラウンドは整備されており、研究室単位でイベントを開催したり、創域会学生部がイベントを企画したりするなど楽しく気分転換をしながら、日々研究を進めている。

地域や企業と連携し、多くの施設が社会実験場としての機能を兼ね備えていることも特徴の1つである。柏地区キャンパスでは、街全体でさまざまな実証実験が行われている。例えば「新しい公共交通」として、自動運転バスの実証が進められ、キャンパスの北東にあるグラウンドは、研究フィールドの機能を併せ持ち、ラグビーを通じた共同研究が進められている。

第3のキャンパスとして二十数年かけて創られた柏キャンパスは、これからも地域・企業と連携しながら進化し続けていく。

文/飯澤実咲(学生サポーター)