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現役学部生に聞く、東大生の食事情Ⅲ「料理ができなくてもなんとかなる!」―学生生活を支える「食」(5)

2019.02.14

食生活

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学生生活を支える「食」

東大の現役女子学生に、毎日の食事情を尋ねる東大生の食事情Ⅲでは、医学部に通う2人の女子学生にインタビュー。すると、今度は食に関して淡白な実態が浮き彫りに……。

PROFILE

西尾萌波さん 医学部2年
兵庫県出身。現在は本郷キャンパスの近くで一人暮らし。

町田結月さん(仮名) 医学部2年
首都圏出身。自宅から通学中。

 

自宅通学 VS 一人暮らし 「やはり一人暮らしは炭水化物に偏ってしまうのか」

――お二人は毎日の食事ってどうしていますか。

西尾 私は一人暮らしなので一応、自炊はやっていると言えばやってます。

町田 私は自宅通学なので基本的に食事は自宅です。帰宅も夜遅くなりますが、なるべく帰宅後に母が作ってくれたごはんを食べるようにしています。

――西尾さんは神戸から東京に来て一人暮らしということですが、合格がわかった時は食事のことが気になったりしました?

西尾 まったく頭によぎらなかったです。親は心配していたかもしれませんけど、私自身はそこは気にしてなかったですね。

――でも完全な一人暮らしだと自炊も必要ですよね。

西尾 一応、やっていると言えば言えるぐらいのレベルですかね。

――朝、昼、夜と毎日しっかり3回食べてます?

西尾 基本、朝は食べませんね。実家から親が時々、お湯で溶かすタイプのインスタントのスープとかお味噌汁を送ってくれるので、そういうものがあるときはそれを食べてます。
お昼は、入学してからしばらくは何か作って持っていくっていうことをしてたんですけど、半年くらいで力尽きてしまい、それ以後は学食で済ませてますね。夜は友達とごはんに行くことになれば外食、そうでなければ家で適当に何か作って食べるって感じです。

――ちなみに夕飯はどんなものを作りますか。

西尾 ごはんを炊いて、あとは鍋に適当に具材を入れて煮るみたいな(笑)。最近よく登場するのは冷凍ギョーザ。鍋に冷凍ギョーザを入れて、レタスとかキャベツとかもやしなどをぶち込んで終わり、みたいな感じですよ。

――栄養のバランスとかって……。

西尾 全体的に炭水化物に偏りがちですが、餃子に入っているお肉で若干のタンパク質もとるといった感じですかね。これに豆腐でもあればバランス的にはいいかなと。

――なるほど。でも、そのパターンが続くと飽きたりしないですか。

西尾 飽きた時はもうお惣菜を買ってきます。ごはんは炊いてあるので、それとインスタントのお味噌汁と。そんなレベルですけど、別に困ることもないですよ。

――自宅通学の町田さんは朝ごはんはしっかり食べてますか?

町田 母が作ってくれるので食べますね。

――お昼はどうしていますか。

町田 家からおにぎりを2つ持って行って、キャンパス内のどこかで食べるって感じです。

――おにぎりは、自分で用意したものを?

町田 最初は自分で作ってたんですけど、1週間くらいしたら母が作ってくれるようになったので、それで済ませてます。
 

東大生の夕飯事情 「夜中の夕飯も当たり前?」

――町田さんは夜遅くなっても家で食べると話していましたが、途中でお腹空きますよね。

町田 お腹が空いても、1時間ほどすれば戻るというか、気にならなくなるんです。夜11時くらいに家に帰ってそれから夕飯を食べてます。

――夜中に食べると太ったり、寝る時に胃がもたれたりしません?

町田 太るかもしれないですが、高校時代は塾の自習室に行くと結果帰りがその時間くらいになっていたので、朝のごはんと夜のごはんが一番近い生活がふつうになってますね。

――なるべく外では食べないようにしているの?

町田 家のごはんだと野菜もあってバランスが良いので、外で空腹を満たすことを優先してパンなど買って食べるより、家に帰って野菜を食べた方がいいかなと思ってます。

――でも空腹のまま活動するのってつらくないですか?

町田 中学受験の時の塾ではお弁当を食べる時間がなくて、そのまま勉強するか少しお菓子を持っていくかくらいだったので、慣れてますね。

――西尾さんは神戸ですけど、やはりそんな感じでしたか?

西尾 私が通っていた塾では、夜のごはんを食べる時間はありました。むしろお弁当だけが楽しみだった気がします。ただ高校3年生の時は塾が遠かったので、その頃は私も帰宅が11、12時でした。

――そういう意味では、東大生には子どもの頃から帰宅時間が遅い生活を続けてきた人が多いのかもしれないですね。だとすると、大学に入学した後も家で食事をしない生活にあまり違和感がないのかな。

町田 私の周囲にはコンビニなどで何か買って食べてる子も多かったですよ。私もたまには買ってました。ただ、自分で買うとなると、カロリーのコスパがいいパンやおにぎりになってしまうんですよね。

西尾 そうそう、そうなるんだよね。だから親のほうも、子どもが一人暮らしすることになるとそれが加速して、炭水化物しか食べなくなるんじゃないかという懸念を抱くんじゃないかと思うんです。まあ、確かにそれは事実で、私もしっかり炭水化物の生活になってますが(笑)。
 

栄養のバランスと節約の関係 「節約を優先すると野菜に手が伸びない」

――学内の食堂(学食)だとちょっとした家庭料理の小鉢とかサラダバーもそろってますが、あまり利用されないですか。


駒場生協食堂の量り売りサラダバー。野菜不足を感じたらどうぞ

西尾 野菜は値が張るので、コスパを考えるとあまり手が伸びないですね。だから学食だと野菜がとれるかといわれると、それは本人の意識次第という気がします。私はあまり重視していないせいか、なかなか野菜には手が出ない。夜に学食に行ってもおにぎりですませることもありますしね。

――まかないのあるアルバイトを選ぶ学生も多いですが、お二人はどうですか?

町田 私は家庭教師をしてまして、以前行っていたところでは、おにぎりなどを出してくれたこともありましたね。ただ、食事の有無はご家庭によってまちまちですね。

西尾 私は昨年、少しの間、ファミレスでバイトしてたんです。そこでは、ふつうのメニューが定価の3分の1くらいで食べられるんです。ただ仕事が朝の時間帯で、私朝は食べないので、利用しませんでしたね。

――駒場時代もあまり外食はしなかったですか。

西尾 たまに行っていたのは、駒場東大前駅の前のマクドナルドの横にある、つけ麺屋さんの「駒鉄(*残念ながら2019年1月で閉店)」です。あそこは学生の間ではすごく有名。850円ぐらいで食べられるんですよね。たまにお友達と行ってました。あとは駒場周辺より、渋谷に出かけて食べてましたね。


営業していた頃の駒鉄。駒場の学生の胃袋を満たしてくれる存在でした

町田 駒場キャンパス内の「ルヴェ ソン ヴェール」にはお昼に一度、行ったことがあります。

西尾 あ、そこ行ったことないんです。

町田 以前はランチが800円だったんだけど、今は1000円になって、サラダバーが食べ放題になったんですよね。おいしかったです。

西尾 行ってみたい!
 

炭水化物偏重の生活は変わるか 「体が丈夫なので今のところ大丈夫」

――さて今後のことをお聞きしますけど、西尾さんは栄養面で少し炭水化物に偏っているとのことでしたが、今後は変えていく予定ですか?

西尾 今のところ全然変わる気配はないです。

――体が野菜を欲しがるってこともあると思うんですけどね。

西尾 野菜とかもっととればいいとは思いながらも、今一つ決意にいたらないのは私、すごく体が強いんですよ(笑)。体調を崩すことがなくて。1回でも崩すともう少しは健康に気を使うようになるかもしれないけど、今のところはまだそれがないです。

――では最後に、これから東大を受験しようと思っている高校生に何か食に関してアドバイスをいただけますか。

西尾 そんなに心配しなくても、大丈夫です。料理ができなくても、なんとかなりますから。もちろん、自分が楽しめるならやればいいと思います。

町田 食事のことがすごく心配だったら寮に入るのもいいんじゃないかな。東大の寮(三鷹国際学生宿舎)は食事がないみたいですけど、食事付きの学生寮のような宿舎って他にありますよね。最初の1年間はそういうところに入って様子を見るのも一つかも。

西尾 ただそういうところだと門限もあったりするから、向き不向きがあると思います。そこは自分の好みですよね。

町田 私は一人暮らしをしていないので想像ですけど、お金を節約しすぎないようにすることが大事なんじゃないですかね。学食でサラダバーを食べる日をもうけるとか。

西尾 確かにね。私も最初の頃は節約精神旺盛だったけど、ちょっとあきらめて学食で食べるようになってみると、それで何とかなるということもわかってきました。あまりお金のことを気にしすぎない方が、それができる状態なら、そのほうがいいと思います。

――ちょっと食べても100円増し程度ですからね。

町田 と言いつつ、1日に100円増えると、1か月3000円って思いがち。

西尾 そういうところ、ケチだから計算するとダメ(笑)。

町田 そこで計算しすぎないことが大事ってことですね。

――節約もほどほどに、健康第一ということですね。今日はありがとうございました。
 

インタビュー/東京大学高大接続研究開発開発センター教授・濱中淳子
構成/大島七々三
※ページ内容は作成時のものです。