東大卒業生インタビュー・県庁職員―東京での出会いと福井への想いを糧に、地域振興に幅広く携わる

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東大卒業生のいま 宇佐美さん

東大卒業生インタビュー

東大生の卒業後のいろいろな進路をお伝えするインタビュー。今回は、福井県庁で職員として勤務されている宇佐美雅史さんを取材しました。東大在学時から、将来は福井で就職すると決めていたという宇佐美さん。学生時代は、「東京にいるからこその出会い」や、「大学でしかできないこと」を大切にされていたとのこと。東大での学生生活も、現在の福井での生活も、どちらもとても充実している様子が伝わってきます。

PROFILE

宇佐美雅史さん

出身高校:   福井県立藤島高等学校
学部・大学院: 医学部健康科学・看護学科、医学系研究科 発達医科学教室(2007年修了)
卒業後の進路: 福井県庁職員

東京での出会いを大切に

――まず、高校生時代、東大を志望した経緯を教えてください。
中学時代に通っていた塾で、目標は高く持つべきだと言われたことがきっかけですね。それ以来、漠然とですが東大を目指す気持ちがありました。高校に入ってからも、成績はそれなりに良い状態を保てていたので、周囲の後押しもあり東大を受験しました。

――東大での学生生活で力を入れたことや、印象に残っていることはありますか。
やっぱり東京は全国からたくさんの人が集まってくるところなので、たくさん知り合いを作ろう、というのは意識していました。出会いの機会を大切にしていて、誘われれば積極的に出かけるようにしていましたね。あとは、アルバイトも頑張っていました。東大生のアルバイトといえば教育系がメジャーで、僕も家庭教師はしていたのですが、それ以外にもファストフード店等で働いていました。東大の中ではないような出会いがたくさんあったので、良い経験だったと思います。

さらに、学生のうちしかできないことをしようと思って、旅行もよく行っていました。僕は医学部の健康科学・看護学科というところに所属していて、食生活への意識は高かったので、アジア旅行に出かけたときは中国で「苦丁茶」という糖尿病に効くと言われているお茶を買ってきて、周りに配ったのを覚えています(笑)。

地方公務員として働くことの魅力

――在学中から福井県での就職を考えられていたのですか。
そうですね。もともと卒業後は福井に帰りたいと思っていましたし、東京で出会った同郷の彼女が先に福井に帰っていたので、福井で過ごす将来のイメージも湧いていました。現在はその彼女と結婚して、子どもが3人います。それから、東京に出たことで、改めて福井の良さに気づけたことも大きかったと思います。地方県庁には東大出身者は一定数いるので、そんなに珍しがられるようなこともありませんでしたよ。

――県庁でのお仕事にはどんな魅力がありますか。
今の仕事の魅力は、多様な仕事を経験できることと、自分の生活の質を高く保てることだと思っています。まず前者に関してですが、僕は今までに障害者福祉、税務、市町の財政などを扱う部署を経験し、現在は県の政策を考える部署で、企画を担当しています。部署間の異動が活発なことで、常に新鮮な仕事に取り組めるし、様々な仕事を経験できるのは面白いと思います。それから後者に関しては、仕事だけでなく、子育てやスポーツなど、自分のプライベートにも時間を割けていることに満足しています。週末は家族で遊びに行ったり、スポーツをしに出かけたりしています。

――県庁で取り組まれたお仕事で、印象に残っていることはありますか。
以前、今とは別の部署で、障害者スポーツの振興に携わっていたことがあって。仕事を進めていく上での学びが多く、大会当日に参加者の頑張りや笑顔をみたときには、仕事の喜びを感じました。それまでは障害者スポーツには縁がなかったので、仕事を通して学ぶ機会を得られてよかったと思います。福井県は、2023年の新幹線開通が迫っていることもあり、今盛り上がってきています。新幹線開業の効果を最大化するためにはどうすれば良いのか、企画していく楽しみがありますね。これからは地方がどんどん良くなっていくという期待があります。

勉強することは「頑張る経験」を身につけること

――最後に、高校生・受験生にメッセージをお願いします。
僕は、勉強することの意味は「頑張る経験」を身につけることだと思っています。勉強して得られるのは知識だけでなく、努力したという経験、努力に耐えうる体です。受験のために努力した経験は、将来社会に出てからも必ず活きていきます。受験勉強は辛くて大変だと思うけれど、頑張ってほしいです。そしてもう1つ。大学生活はとても楽しいです。いろんな人との出会いがあるし、自分の判断でどんなこともできるし、どんな場所にも行くことができます。そんな大学生活を目指して、頑張ってください。応援しています。

取材/2019年3月
インタビュー・構成/学生ライター・林怜実