ちょっとひといき ちょっとひととき(1) 

2022.03.16

東大生コラム

テーマを絞って発信する東大生のコラム企画

第1回目のテーマは「サヨナラしたいこと~その先へ」。卒業シーズンがやってきました!卒業生も卒業生でない方もサヨナラしたいことはありませんか?サヨナラは次に進むための通過点なのかもしれません。東大生をより身近に感じられるコラムを今月からお届けいたします。

永遠にサヨナラしたい癖

経済学部3年 R

私がサヨナラしたいことは「後回しにしてしまう癖」です!
みなさん一度くらいはやりたくないことを後回しにしたこと、あるかと思うのですが、私はその回数が多いのが悩みです。といっても、自分を律するしかないことは重々承知しているのですが・・・(涙)
自分に原因があることはわかっていても、なかなか直るものでもありません。最近は就職活動をしているので、エントリーシートや面接の予約、OB訪問など「予定・計画を立てる→実行する」という作業を繰り返す必要があります。そんな時に「後回しにしてしまう癖」が出てしまうと結構致命的です。今のところ特に大きな問題は起こっていないものの、すでにエントリーシートを提出期限の数分前に提出したことが何回もあります。しかも、かなり志望度が高い企業です。これって癖なのでしょうか・・・性格かもしれません。
4月からは気持ちを入れ替えて、①「期限ギリギリにすることを良しとしない」②「なるべく後回しにはしない、少しだけでもやっておく」、この2点を心に留めて、頑張りたいと思います。本当に思っています!

就職活動に疲れた時は、美術館や博物館に行って息抜きをします

 

ときめくか、ときめかないか

文科三類2年 かぼす

サヨナラする、と聞いて一番に頭に浮かぶのは「断捨離」だ。
学期が終わると、次の年度に向けて媒体を問わず持ち物を整理する必要が出てくる。「こんまり」こと近藤麻理恵さんは、断捨離のプロセスを分かりやすく伝えることで、日本のみならずアメリカでも絶大な人気を得た。彼女が言うには、物を捨てるかどうか判断する秘訣は「その物にときめきを感じるかどうか」だそうだ。
それでは対人関係の断捨離に対してはどうだろう。ときめく=キープ、ときめかない=サヨナラ、で割り切ることができてしまえば、悩み事がずいぶん減りそうだ。しかし考えてみれば、人との関わり合いにおいてのキャパは、クローゼットなどのように限られた容量ではなく、自分自身の気持ち次第で無限大にもなり得る。人間関係にリミットがあるものと決めつけることから来るストレスにサヨナラして、相手との関係を断ち切ってしまう前に、ゆとりのある間柄に持ち込んでみるのもアリかもしれない。


ときめく?ときめかない?

 

理想の大盛りをやめたい!

理学系研究科 男の趣味を極めし院生

ある日、とある定食屋でランチをした。定食屋の中には、ごはんの量が選べ、「大盛り」を頼んでも料金が変わらないという優しいお店もある。私は、その優しいお店に入り、いつもどおりその優しさに甘え「大盛り」を注文した。料理が来るまでワクワクしながら待ち、ついに料理が来た。料理がテーブルに置かれた段階から違和感があったのだが、すぐには原因がわからなかった。
「大盛り」には私なりに流儀がある。それは画像にあるように、お椀からこんもりしていてほしいという事だ。これ以外、私は「大盛り」と認めていない。そう、私が感じた違和感は、私の理想の「大盛り」ではなかったのだ。もちろん、それで料金が変わるものではないから、別に気にするなという話なのだが・・・。
何となくフォロワーが2800人ほどいる私のツイッターで写真とともに「これは大盛りですか?」とツイートした。そしたら、100%で「大盛りです。」の回答が来た。そう、私の理想は一般大衆とズレていたのだ。それを受けて、私は家で理想の「大盛り」での食事をやめようと思う。

理想の大盛り

 

「ふと気になったから」へ

文科一類1年 寺嶋 琴

「これは一体何の役に立つのだろう」こんなふうに考えてしまうことと、さよならしたい。
大学生になってから、取り組もうとしている物事の意義を問う機会が格段に増えた。「好きだから」「興味があるから」ただそれだけの理由で取り組み始めることはほとんどなくなった。「評判が良いから」「就活で役に立つと聞いたから」「社会に貢献することができるからやってみよう」そう考えて行動している。取り組む理由を自分の内に求めるのではなく、外に求めるようになってしまった。
そんな自分とさよならしたくて、私は今、酪農をしている。これまで酪農とは縁のない生活を送ってきたが、酪農家の生活が「ふと気になった」ため、応募して従業員として受け入れてもらった。この体験が私のこれからの人生にどのような影響を与えるか、どのような意義があるのかはまだ分からない。ただ、今はそれで良いのだと思う。純粋な興味から始まった体験は、純粋なまま、期待で変形させずに蓄えておきたい。だって、「ふと気になった」だけなのだから。


手にのせた餌を食べる子牛

 

サヨナラ、積読

人文社会系研究科 S.N

私のサヨナラしたいこと、それはずばり、積読(つんどく)です。
買った本を読まずに重ねて置く積読。古本屋があればふらりと立ち寄り、少しでも興味がある本や「いつか研究に使えそう!」と思う本は、つい買ってしまいます。あっという間に本棚に入りきらなくなり、新しい本棚を購入してもしまいきれなくなり、段ボールにいれて重ねておく始末。到底すべての本を読み切れるわけもなく、積読として部屋にたまっていきます。
学部3年で駒場から本郷にキャンパスが変わり、引越すときには本が満載の段ボールが十数箱あり、とても大変でした。今では、買っただけで読めていない多くの本たちに一抹の罪悪感を覚えています。
というわけで、今年こそ、積読からめでたく卒業し、サヨナラしたいです。千里の道も一歩から。まずは、積み上がった本を一冊ずつ読んでいくところから始めようと思います。積読にサヨナラし、すべての本を読んだ先には、きっと多くの発見が待っているはず。そう思いながら、ページをめくる春の日です。

サヨナラ、積読

参考リンク ほかの回の記事はこちらから

原稿作成/2022年2月
企画・構成/「キミの東大」企画・編集チーム

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