そこは知性と対話のカオスか!? 交流会に見る推薦生の生態レポート

同じ学部だから共感し合える 推薦生ならではのお悩み相談も

次のグループに移る前に、ここで集合写真の撮影タイムを設けます。遅れてきた人や、途中で帰る人などを考慮してのことです。カメラのフレームに収まるように、全員が会場の端に集まりました。こうしたシーンでも推薦生の習性なのか、前に出る人と後ろに立つ人と自然にまとまります。この一体感は、まるで大きな家族のようです。

集合写真

後半戦は、グループを変えてさらに交流を深めます。まずは学部別に分かれてのトークです。新型コロナウイルス禍以降、特に5期生や6期生は先輩や後輩と話す機会が限られていました。また今春東大に入学した7期生は、これからのキャンパスライフを楽しく過ごすコツを聞きたいところ。入学後にじっくりと話をするのは初めてという人も多い中、待望の“縦のつながり”を築くチャンスといえます。

教育学部のふたり

  • 必修の多さに目が回りそうで、さっそく先輩に話を聞いてもらっていました。
  • 私が1年のときは、ちょうど新型コロナウイルス禍の影響で全ての講義がオンラインになったんですよね。入学早々実家に帰って、一人で受講していた感覚です。だから対面授業の話を聞いて興味深かったです。
  • 確かに対面授業だと、友達と一緒に受けますしね。先輩たちも違った意味で、大変な時期を過ごしていたんですね!

こちらの4人は土木系、電気系、コンピューター系、宇宙系と、同じ工学部でもみなさん違う専攻のようです。

工学部の4人

  • 宇宙工学を研究する修士の先輩のお話を、とても興味深く聞いていました。
  • 工学部だと大学院に進む学生がほとんどですし、研究室はみんな興味ありますよね。
  • たいていの工学部生なら、宇宙は大好物ですよ!(笑)

こちらは法学部の2人。

法学部の2人

  • 新型コロナウイルス禍以降も学部では推薦生同士で集まったり、キャンパスツアーをしたりしていましたけど、今年入学した7期生に会うのは今日が初めてだったので嬉しいです。
  • これから履修するのに、おすすめの授業や講座を聞いていました。秋以降、さっそく参考にしたいと思います!

高校時代の研究テーマについて、話に花を咲かせていた3人を発見!

農学部の3人

  • 今の選択に至るのに、高校で何をしていたか話していました。同じ農学でもみんなテーマが違って、広がりがすごいと盛り上がっていました。
  • 入学してさっそく履修した講座に不安があって、先輩に少し相談しました。周りは一般選抜で進学した友達が多い中、貴重な意見を聞けて心強いです。
  • 私でも何とかなったから大丈夫! 自信を持って!

語って語って語りまくる!休憩も忘れて盛り上がった2時間

学部別にマニアックな話で盛り上がったところで、最後は同期同士でグループに分かれました。学部を超えて横のつながりも広げていきます。この時間になると参加者もすっかり場に慣れて、初対面同士でも自然と会話が弾みます。
写真に写ってくれたのは、5期生のみなさんと7期生のみなさん。

5期生の写真
7期生の写真

中には自分の成果物をプレゼンする“ツワモノ”も!

パソコン持っている

  • 高校の頃、部活でサポートが終了したパソコンを集めて、スーパーコンピュータを作っていたんです。

見せてもらったのは、銀河の衝突シミュレーション。はるか彼方の星の動きを三次元で表現するためには、まさに天文学的な回数の計算が必要で、さらに動きをビジュアルで表現できたのは、スーパーコンピュータ制作の賜物なのだそうです。

活発に議論する後輩の姿を微笑ましく眺めているのは、1期生のみなさんでした。

1期生

大学に残り研究し続ける人もいれば、就職をした人も。この時間はちょっとしたプチ同窓会になっていました。

開始から2時間が経過しても休憩することなく、ずっとスタンディングで会話に夢中になる推薦生たち(途中で植阪先生が、水分補給を促すほど!)。まだまだ話し足りない様子ではありましたが、会場の都合もありクロージングを迎えます。

実行委員によるあいさつで、「みなさん、今日は楽しめましたでしょうか?」と問いかけると、周りからは盛大な拍手が。新たな出会いとつながりを、ずっと望んでいたのかもしれません。その思いは実行委員も同じでした。

実行委員の写真

  • とにかくいろんな人とお話しできたことが、とっても楽しかったです! こういう場を求めていたんだなあと、改めて思いましたね。
  • 高校でも新型コロナウイルス禍の影響で行事が縮小されるなど、思うように人が集まれなかったこともあり、新鮮な気持ちで準備に臨めました。
  • 新型コロナウイルス禍前までは交流会をきっかけに、推薦生同士で新しい活動やアクションが生まれていました。今回、再びそうした場をつくれたことが心から嬉しかったです。

終了と同時に参加者からは、「また開催してほしい」「今度は本郷バージョンで!」といった声も。近いうち、第2弾の開催を予感させるところでお開きになりました。

それにしても、推薦生の旺盛な好奇心を目の当たりにした本会。自分のことを話す以上に、相手の話を聞きながら質問を繰り返し、ディープに掘り下げていく姿が印象的でした。そして推薦生という共通項だけで生まれる、唯一無二のファミリー感。参加者は温かな雰囲気の余韻を残したまま、少し名残惜しそうに会場を後にするのでした。

6期の集合写真

取材/2022年6月
取材・構成/たなべやすこ
WEBデザイン/肥後沙結美
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